機械式時計の楽しみは、単に時を刻む精度や複雑な機構を愛でるだけではありません。その日の装いや季節、あるいは訪れる場所に合わせて「装いを変える」という愉悦もまた、愛好家にとって欠かせない要素といえるでしょう。
とりわけ、チューダー(TUDOR)が展開するファブリックストラップは、一般的なナイロン製のNATOストラップとは一線を画す、芸術的な質感と歴史的背景を備えた逸品として知られています。フランスの伝統的なジャカード織機によって生み出されるそのストラップは、一度手首に巻けば、時計全体の表情をより奥深く、そして洒脱に昇華させてくれます。
しかし、いざ交換用として純正のストラップを新調しようとすると、「どこで購入できるのか」「自分のモデルに適合するサイズや価格はいくらなのか」といった疑問に直面することも少なくありません。
本記事では、チューダーのファブリックストラップの購入方法を探している方に向けて、正規販売店での具体的な注文手順から最新の価格相場、さらにはモデルごとに異なるバックルの仕様までを網羅的に解説します。愛機にふさわしい最高の一本を手にし、所有する喜びをさらに深めるためのガイドとしてご活用ください。
チューダーはモデルごとにデザイン思想や立ち位置が大きく異なります。
とくに実用性を重視したモデルについては、以下の記事も参考になるでしょう。
▶チューダー レンジャーは本当に「ダサい」のか?MT5402とT-fitが解き明かす真の魅力と賢い選び方
- チューダー純正ファブリックストラップの正規購入ルートと注文手順
- モデル別に異なる価格帯やバックル仕様の違い
- 購入前後に注意すべき適合確認とメンテナンスの要点
チューダー純正ファブリックストラップの購入方法と正規店での注文手順

チューダーのファブリックストラップを手にしようと考えた際、まず理解しておくべきは、その購入ルートが一般的な時計アクセサリーとは異なり、極めて限定的であるという点です。ブランドが守り続ける品質と世界観を維持するため、その流通は厳格に管理されています。
よくある質問|チューダーのファブリックストラップは単体購入できる?
「公式オンラインショップで手軽に購入したい」と考える方も多いかと存じますが、現時点においてチューダーは公式サイトでのストラップ単体販売を行っていません。基本的には、全国の正規販売店(Authorized Dealer / AD)を通して注文を行うのが、純正品を入手するための最も確実な、かつ唯一といっても過言ではない方法です。
稀に「日本ロレックス」のサービスセンター窓口にて購入を検討されるケースも見受けられますが、サービスセンターは本来、オーバーホールや部品交換といったメンテナンスを主目的とする機関です。ストラップの単体購入のみを目的とする場合は、近隣の正規販売店(ブティックや百貨店の時計サロン等)へ相談することが、最もスムーズな対応を受けられる選択肢となります。
正規店での具体的な取り寄せフローと必要情報
正規店に在庫がない場合、本国や国内の物流拠点から取り寄せを行うことになります。その際、希望するストラップが自分の時計に適合しないといった事態を防ぐため、以下の情報を準備しておくと手続きが円滑に進みます。
- リファレンス番号(Ref.)の確認: 保証書(ギャランティカード)に記載されている型番を伝えることで、そのモデルに適合するラグ幅や、本来付属しているストラップの仕様を正確に特定できます。
- 在庫の事前確認: 店舗によって在庫状況は異なります。直接足を運ぶ前に、電話にて「特定のモデルに適合するファブリックストラップの在庫があるか、あるいは取り寄せが可能か」を問い合わせるのが賢明です。
- 店舗への訪問と発注: 取り寄せの際、店舗によっては内金や全額の前払いが必要になるケースもあります。また、入荷までの期間は在庫状況に左右されますが、状況によっては通常より時間を要するケースも報告されています。余裕を持ったスケジュールで注文を行うことが推奨されます。
純正ベルトの価格相場と納期の目安(体験ベース)
チューダーの純正ファブリックストラップの価格は、単なる布製のベルトとしては高価に感じられるかもしれません。しかし、その製造工程にかかる時間と技術を鑑みれば、納得感のある設定といえます。
実際に正規店で注文を行った複数のユーザーや愛好家の事例によれば、価格相場は税込でおおよそ25,000円から30,000円前後となるケースが多く報告されています。多くの場合はバックル(尾錠)を含んだ構成で提供されますが、モデルや注文経路によって扱いが異なる可能性もあるため、注文時に構成内容を確認することが重要です。
また、近年の世界的な物流情勢や為替変動、さらには特定の人気モデル(ブラックベイ 58など)に適合するカラーの需要増により、納期が流動的になる傾向があります。希望の仕様を確実に手に入れるためには、早めに正規店へ相談しておくのが最善の策といえるでしょう。
モデル別で異なるバックル仕様とファブリックストラップの選び方

チューダーのファブリックストラップが愛好家から高く評価される理由は、その優れた織りの技術だけではありません。時計本体のケース素材やデザインと調和するように設計された「バックル(尾錠)」の存在が、全体の完成度を決定づけています。
装着感と美観を左右する「バックル素材」のバリエーション
ファブリックストラップにおいてバックルは、見た目の統一感だけでなく、装着感や経年変化にも直結する極めて重要なパーツです。多くのモデルではステンレススチール製のピンバックルが採用されていますが、一部のモデルでは、ケース素材との親和性を高めた特別な仕様も見られます。
- ブラックベイ 58 925(シルバーモデル): 希少なシルバー925製のケースに合わせて、多くの仕様ではケース素材との統一感を意識したバックルが組み合わされています。ただし、販売地域や生産時期によって仕様が異なる場合があるため、現物の個体差を含めた一期一会の出会いもまた、このモデルの奥深さといえるでしょう。


チューダー ブラックベイ58 925 79010SG:GINZA RASIN 楽天市場店 - ブラックベイ ブロンズ: ケース素材との調和を意識したバックルが組み合わされており、ブロンズ調の外観を持つ仕様や、耐久性に配慮した異素材バックルが採用されるケースもあります。ストラップのエイジングとともに、バックルもまた持ち主と共に歴史を刻んでいく楽しみがあります。


チューダー ブラックベイ ブロンズ ブッヘラー限定 79250BB:CLOSER
なお、これらの特殊な意匠を持つバックルは、基本的にはそのモデル専用のストラップとして提供されるものであり、バックル単体で異なる素材を自由に選択できるといったカスタマイズには制約があるのが通例です。
人気モデル別・対応ラグ幅とサイズ一覧表
自分の愛機に適合するストラップを選ぶ際、最も注意すべきは「ラグ幅(ベルトの取り付け幅)」です。以下の表に、主要モデルのラグ幅を整理しました。
| コレクション名 | 代表的なモデル | 対応ラグ幅(目安) |
|---|---|---|
| ブラックベイ 41 | M7941系リファレンス 等 | 22mm |
| ブラックベイ 58 | M7903系リファレンス 等 | 20mm |
| ブラックベイ 54 | M7900系リファレンス 等 | 20mm |
| レンジャー | M7995系リファレンス 等 | 20mm |
| ペラゴス | M2560系リファレンス 等 | 22mm |
※モデルの世代やリファレンス番号により細かな仕様が異なる場合があるため、発注前には必ず現物のラグ幅を計測するか、ギャランティカードを確認してください。
各モデルのサイズ感や装着バランスについては、個別レビューで詳しく解説しています。
実際の着用イメージを確認したい方は、以下の記事も併せてご覧ください。
▶チューダー レンジャー 36mm徹底レビュー|1mm薄い11mmケースが生む究極の装着感と最新の入手状況
▶チューダー ペラゴス 39 評判のすべて|価格、サイズ、入手難易度から徹底解説
【比較】チューダー純正 vs 汎用NATOストラップの違い
市販されている安価なNATOストラップとチューダー純正品の最大の違いは、その「構造」と「装着時の厚み」にあります。
一般的な汎用NATOストラップは、時計の裏側にストラップが2重に重なる構造が主流です。そのため、手首の上で時計本体が数ミリ浮き上がってしまうのが難点でした。対してチューダーの純正品は、NATOストラップをベースにしつつ、余分な重なりを抑えた独自構造を採用しています。 バネ棒をストラップのループ内に通して固定するこの設計により、時計が手首に吸い付くような低い重心を保つことができ、ジャケットの袖口にも収まりやすいエレガントな装着感を実現しています。
| 比較項目 | チューダー純正 | 汎用NATOストラップ |
|---|---|---|
| 織りの技法 | 伝統的なジャカード織り | 一般的なナイロン編み |
| 装着構造 | 独自構造(低重心) | 2重重なり(浮き上がりやすい) |
| 耐久性 | 極めて高い | 価格相応 |
| 価格 | 2.5万〜3万円前後 | 数千円程度 |
愛着を深めるためのチューダーのベルト交換方法とメンテナンス

- チューダーのベルト交換方法|自分でできる?正規推奨は?
- チューダーのファブリックストラップの洗浄と日常のお手入れ
- 自分好みに合わせるベルト調整とフィッティングのコツ
- まとめ
- チューダーのファブリックストラップに関するよくある質問(FAQ)
優れた耐久性を誇るチューダーのファブリックストラップも、日々の着用によって汗や皮脂、埃などの影響を少なからず受けます。適切な交換方法とメンテナンスの知識を身につけることは、ストラップの寿命を延ばすだけでなく、愛機をより衛生的に、かつ美しく保つことにつながります。
なお、ストラップ交換や日常使用を長く楽しむためには、正規メンテナンスの考え方も重要です。
▶チューダーのオーバーホールはどこで出すべき?正規サービス・修理専門店・載せ替えの真相
チューダーのベルト交換方法|自分でできる?正規推奨は?
ストラップの交換を自分で行うか、プロに任せるかは、愛好家にとって悩ましい問題です。結論から申し上げれば、適切な工具と手順を理解していれば自分での交換も可能ですが、傷のリスクを最小限に抑えたい場合は正規店への相談が推奨されます。
- セルフ交換のポイント: 作業を行う際は、先端の細い高品質な「バネ棒外し」を用意し、ラグの裏側に保護用のマスキングテープを貼ることで、金属同士の接触による傷を防止できます。チューダーのファブリックストラップはバネ棒を布の中に通す構造のため、一般的なストラップよりも慎重な位置合わせが求められます。
- 正規店での対応: 多くの正規販売店では、ストラップ購入時にその場での交換対応を行っています。プロの技術による確実な装着は、脱落などのトラブルを防ぐ安心感にもつながるでしょう。
チューダーのファブリックストラップの洗浄と日常のお手入れ
ジャカード織のストラップは密度が高く非常に頑丈ですが、汚れを放置すると繊維の劣化や不快な臭いの原因となります。定期的な洗浄を行うことで、独特の光沢と肌触りを長く維持できます。
- バネ棒の取り外し: 洗浄前にバネ棒を取り外すことが推奨されます。装着したまま水に浸した場合、微細な隙間に水分が残り続けることで、内部パーツの劣化や動作不良の原因となり、結果的に時計本体へ影響を及ぼす可能性があります。
- 優しく押し洗い: 洗面器などにぬるま湯を張り、少量の中性洗剤を溶かします。ストラップを浸し、指の腹で優しく押し洗いしてください。繊維を傷める恐れがあるため、硬いブラシで強く擦るのは避けるのが賢明です。
- 十分なすすぎと乾燥: 洗剤成分が残らないよう十分にすすいだ後、清潔なタオルで水分を吸い取ります。乾燥させる際は、直射日光を避けた風通しの良い場所での「陰干し」が鉄則です。熱湯の使用やドライヤーによる急激な加熱は、繊維の収縮や変質の原因となるため、控えるべきでしょう。
自分好みに合わせるベルト調整とフィッティングのコツ
ファブリックストラップの装着感を左右するのが、バックル位置とストラップの「折り返し」の処理です。
チューダーのストラップは長さの調整範囲が広く設計されており、手首の太さに合わせて最適な位置で固定できます。末端が余る場合は、ループに差し込む際に内側へ折り返すことで、見た目をスマートに整えることが可能です。また、季節によって手首のむくみが変わる際には、穴の位置を一つずらすだけで劇的に快適性が向上します。布製ならではの柔軟性を活かし、自分にとって最も心地よいフィッティングを追求するのも、このストラップを所有する醍醐味といえるでしょう。
まとめ

チューダーのファブリックストラップは、単なる付属品の域を超えた、ブランドのアイデンティティを象徴する工芸品です。その購入には正規店での取り寄せという手間を要しますが、手にした瞬間の質感と、手首に馴染む唯一無二の装着感は、その労力に見合うだけの価値を確実にもたらしてくれます。
伝統あるジャカード織の奥深さを理解し、適切なケアを施しながら共に時を刻んでいく。そんな豊かな時計体験を、ぜひお手元のチューダーと共に楽しんでみてはいかがでしょうか。
チューダーのファブリックストラップに関するよくある質問(FAQ)
チューダーのファブリックストラップは、手にした瞬間にその質感と存在感で心を掴む一方、「どこで、どうやって購入できるのか」が分かりにくい純正アクセサリーでもあります。
正規店でしか扱われないのか、ストラップ単体で注文できるのか、モデルごとにバックル仕様は違うのか。
購入を検討し始めた段階で、多くの方が同じ疑問に直面するはずです。
ここでは、公式情報と実際の正規店対応を踏まえながら、購入前に知っておきたい要点をQ&A形式で簡潔に整理しました。純正ファブリックストラップを安心して選ぶための、実用的な確認ガイドとしてご活用ください。
- チューダーのファブリックストラップは 公式サイトで単体購入できますか?
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いいえ、公式サイト上ではファブリックストラップの単体販売は行われていません。純正ストラップは基本的に 正規販売店(Authorized Dealer / AD)を通じて注文する方法 が主流です。オンライン直販はチューダーの現行仕様では提供されていません。
- 「正規販売店で購入」とありますが、 オンライン注文はできますか?
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多くの正規販売店では、電話やメールでの問い合わせ・在庫確認・取り寄せ発注も可能です。来店前に連絡して希望モデルの在庫・納期を確認するのがスムーズな対応につながります。
※ ただし、オンラインで完結できる公式ストラップ購入フォームはチューダーに現時点では存在しません。 - サービスセンター経由でファブリックストラップ単体を注文できますか?
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一般的には、ストラップ単体購入の受付は 正規販売店(AD)での対応が中心 です。ロレックス/チューダーのサービスセンターは本来「オーバーホールや修理対応」が目的のため、単体購入は対応していない場合が多いです。ただし修理や点検と併せて相談することで対応可能になるケースもあります(店舗や状況によって異なります)。
- ファブリックストラップの 価格相場 はどれくらいですか?
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正規店で購入した場合の価格はユーザー体験ベースでもおおよそ 25,000円〜30,000円前後 と報告されています。これはバックル込みの純正ストラップ価格であり、モデル/店によって前後する可能性があります。※ 注文時に必ず確認してください。
- ファブリックストラップは どのように構造が違う のですか?
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チューダー純正ファブリックストラップは、伝統的な ジャカード織機で高密度に織られた専用設計 で、一般的な汎用NATOとは異なる織り・素材・耐久性を持ちます。織り方や「トンネル構造」でバネ棒を通すことなど独自仕様です。
- 純正と社外NATOの違い は何ですか?
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主な違いは次の通りです:
比較項目 純正 社外NATO 織り ジャカード織 編み・平織 装着構造 ブランド専用仕様 引き通し一般 品質 高密度/耐久性高 品質差あり 価格 高め 安価 ※ 社外NATOは対応幅広いですが装着感や見栄えは純正と異なる場合があります。
- バックル交換だけ可能ですか?
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チューダー純正ストラップはバックル込みで供給されることが基本であり、バックル単体での選択オプションは公式には設定されていません。特殊モデルではケース素材に合わせたバックル仕様もありますが、基本はストラップセットでの仕様という理解が安全です。
- 発注時の 納期の目安 はどれくらいですか?
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納期は在庫状況やモデル・地域によって変動します。一般的には 数週間〜1〜2ヶ月程度 を目安にするのが現実的です。繁忙期や人気カラーは遅延することもあります。これはユーザー体験談でも報告されています。

