ロンジンVHPの時刻合わせ|通常モデル・GMTの設定方法と電池交換を解説

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ロンジンVHPの時刻合わせ|通常モデル・GMTの設定方法と電池交換を解説
イメージ:グランド・クロノメーター

ロンジンの「VHP」と呼ばれるモデルは、2017年に登場した「Conquest V.H.P.」シリーズです。高精度クォーツを搭載し、一般的なクォーツ時計とは異なる特徴を持つシリーズとして展開されました。

2026年9月現在、ロンジン公式サイトの現行時計ラインアップでは、VHPの時計本体を確認できません。一方で、VHP対応のストラップなどは現在も公式サイトに掲載されています。現行ラインアップに見当たらないことだけを理由に「生産終了」と判断することはできず、公式から生産終了を明示する発表も確認できないという現状です。

こうしたVHPは、時刻合わせにも独自の操作方法があります。通常モデルではリューズを回す速度によって時刻を調整でき、日付やGMTモデルではさらに操作方法が異なります。

この記事では、2017年以降のConquest V.H.P.を中心に、通常モデルの時刻合わせから日付・GMTの調整方法、VHP特有の挙動、電池交換、正規サービスへの相談方法まで、公式情報をもとに整理します。

この記事を読むとわかること
  • VHP通常モデルの基本的な時刻合わせ方法
  • VHPの日付やGMTを調整する方法
  • 電池切れ時の表示と正規サービスの対応方法
目次

ロンジンVHPの時刻合わせはどうする?

ロンジンVHPの時刻合わせはどうする?
イメージ:グランド・クロノメーター

ロンジンのConquest V.H.P.は、高精度クォーツを特徴とするモデルです。時刻合わせも一般的なクォーツとは少し異なり、リューズを回す速度によって調整単位が切り替わります。ここでは、2017年以降に展開されたConquest V.H.P.を対象に、まず基本となる3針モデルの操作方法を確認します。

この記事では2017年以降のConquest V.H.P.を扱います

現在、ロンジンのVHPについて調べる際には、どの世代を指しているのかを意識しておく必要があります。

ここで扱うのは、2017年に発表されたConquest V.H.P.を中心とする世代です。ロンジンは2017年3月、Conquest V.H.P.を高精度クォーツの新コレクションとして発表しました。磁場や衝撃を受けた際に針を再同期する機能も備え、従来のクォーツ技術を発展させたモデルとして位置づけられています。

その後、3針モデルに加えてクロノグラフやGMTモデルも展開されました。クロノグラフにはL289、GMTにはL287のムーブメントが採用されており、それぞれ専用の取扱説明書が用意されています。

そのため、VHPという名称だけで、すべてのモデルを同じ操作方法として扱うのは適切ではありません。

この記事では、まず基本となる3針のConquest V.H.P. L288について時刻合わせを説明します。GMTモデルについては操作方法に違いがあるため、後の章で分けて解説します。

通常モデルL288の時刻合わせ

3針のConquest V.H.P. L288では、リューズを2の位置まで引き出して時刻を合わせます。特徴的なのは、リューズを回す速度によって、分単位と時単位の調整を切り替えられることです。ロンジン公式の取扱説明書では、次のように案内されています。

時刻合わせの基本手順

Conquest V.H.P. L288 ロンジン VHP 時刻合わせ
コンクエスト VHP – L288ユーザーガイド 出典:ロンジン公式
  1. リューズを2の位置まで引き出します。
  2. リューズをゆっくり回すと、分単位で時刻を調整できます。
  3. リューズを素早く回すと、時単位で時刻を調整できます。
  4. 同期した時刻に合わせたら、リューズを1の位置へ戻します。

特に覚えておきたいのが、リューズの回転速度による操作の違いです。

たとえば現在の時刻から数分だけ修正したい場合は、ゆっくり回して分針を合わせます。一方、時差のある場所へ移動した後など、時単位で大きく変更したい場合は、素早く回すことで時針を1時間ずつ進めたり戻したりできます。

また、ゆっくりリューズを回して分単位の調整を行うと、秒針は自動的に12時位置へ戻ります。これはL288の時刻合わせにおける仕様の一つです。時刻を正確に合わせた後、リューズを1の位置へ戻して操作を終了します。

なお、リューズを2の位置にしたまま60秒以上経過すると、VHPは省電力モードへ移行し、針が12時位置へ戻ります。この挙動については、単なる時刻合わせの手順とは分けて、後の章で詳しく扱います。

このように、L288の時刻合わせは操作自体が複雑というより、「ゆっくり回すと分」「速く回すと時」という独特の操作体系を把握しておくことがポイントです。一般的なクォーツ時計とは操作感が異なるため、回転速度による調整単位を把握しておくことがポイントです。

VHPの日付を合わせる方法

Conquest V.H.P.では、日付だけが1日ずれている場合も、通常のカレンダー付きクォーツとは少し異なる方法で修正します。日付表示を直接送るのではなく、時針を1時間単位で動かし、午前0時をまたぐことで日付を変更する仕組みです。

日付が1日ずれているときの合わせ方

VHPのL288では、リューズを2の位置まで引き出し、素早く回して時針を1時間単位で動かすことで日付を修正できます。

たとえば、時計の日付が実際の日付より1日遅れている場合は、時針を進めて午前0時を越えさせます。時針が日付変更のタイミングを通過すると、日付表示も1日進みます。

公式の取扱説明書では、この操作について次のように案内されています。

  1. リューズを2の位置まで引き出す
  2. リューズを素早く回して時針を1時間単位で動かす
  3. 時針を午前0時まで進め、日付を1日変更する
  4. 正しい日付になったら、リューズを1の位置へ戻す

ここで重要なのは、日付を変えるために分針や秒針を通常の速度で動かす必要はないという点です。素早くリューズを回した場合、時針だけが1時間刻みで動くため、日付が1日ずれているときの修正に利用できます。

なお、日付変更のために時針を動かす際は、午前0時を越える方向へ進めれば日付が1日進みます。逆方向へ操作すれば、日付を1日戻すこともできます。

日付は大きく変更せず、±1日を目安に調整する

VHPの日付修正で特徴的なのは、永久カレンダーを維持したまま、日付を±1日調整できることです。

これは、カレンダーそのものを手動で大きく設定し直すための機能ではありません。実際の日付と時計の日付にずれが生じた場合などに、時針を動かして1日分を補正するための操作と考えると分かりやすいでしょう。

ロンジンの公式取扱説明書でも、L288では日付を1日前または1日後に調整できると説明されています。パーペチュアルカレンダーを狂わせないため、調整できる範囲は±1日に制限されています。 

そのため、たとえば時計の日付が「15日」で実際には「14日」というケースでは、日付を1日戻す操作で合わせられます。一方、何か月分も日付を送るような使い方を想定した機能ではありません。

VHPの日付が1日だけずれている場合は、時針を使って±1日を補正する。この点を押さえておけば、日付修正の基本的な考え方は理解できます。

VHP GMTは時刻合わせの方法が異なる

VHP GMTは時刻合わせの方法が異なる ロンジンVHPの時刻合わせ
イメージ:グランド・クロノメーター

Conquest V.H.P. GMTでは、自国の時間と旅先の時間を切り替えて表示できるため、通常の3針モデルとは時刻合わせの考え方が少し異なります。L287の公式取扱説明書では、表示モードごとに調整単位が指定されています。

ホームタイムは1分単位・1時間単位で調整する

L287 GMTのホームモード(自国の時間)では、リューズを2の位置まで引き出して時刻を調整します。

操作方法は通常のL288と基本的に共通しており、リューズを回す速度によって調整単位が変わります。ロンジン公式マニュアルでは、次のように説明されています。

  • ゆっくり回す:1分単位で調整
  • 素早く回す:1時間単位で調整

分単位で正確に合わせたい場合はゆっくり回し、時差などで大きく時刻を変更する場合は素早く回して時針を進めたり戻したりします。

時刻を合わせ終えたら、リューズを1の位置へ戻します。

なお、モデルによってはねじ込み式リューズが採用されています。その場合は、時刻合わせの前にリューズを反時計回りに回して緩め、調整後はポジション1へ押し込みながら締め直します。これはL287の一部モデルについてロンジン公式マニュアルに記載されている仕様です。

トラベルタイムは15分単位でも調整できる

L287 GMTには、旅先の時間を表示するトラベルモードがあります。このモードでは、ホームモードとは異なり、リューズをゆっくり回したときに15分単位で時刻を調整できます。

操作は次のように分かれます。

  • ゆっくり回す:15分単位で調整
  • 素早く回す:1時間単位で調整

たとえば、時差が1時間単位ではない地域の時間に合わせる場合、15分単位の調整が使える点がトラベルモードの特徴です。

一方、1時間単位で大きく変更するときは、ホームモードと同じくリューズを素早く回します。調整後はリューズを1の位置へ戻して操作を終えます。

L287 GMTでは、ホームモードは「1分・1時間」、トラベルモードは「15分・1時間」という違いを覚えておくと、操作方法を整理しやすくなります。

なお、VHP GMTには、スマートフォンの光を利用して時刻を設定する「Flash Setting」という機能もありました。ロンジンは2018年にこの機能を搭載したモデルを発表しており、専用アプリも提供されていました。

ただし、現在も残っているアプリの更新は2019年で止まっており、現在のスマートフォンでの対応状況を確認できる公式な案内も見当たりません。そのため、現在VHP GMTの時刻を合わせる場合は、公式マニュアルに記載されたリューズによる手動設定を基本に考えるのが分かりやすいでしょう。

VHPの操作中に針が12時へ戻るのはなぜ?

VHPの操作中に針が12時へ戻るのはなぜ? ロンジンVHPの時刻合わせ
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VHPで時刻を合わせている途中、針が突然12時位置へ戻ることがあります。通常の時刻合わせとは異なる動きに見えますが、ロンジンの公式取扱説明書では、この挙動を省電力モードへの自動移行として説明しています。

リューズを2の位置にしたまま60秒以上経過すると省電力モードになる

Conquest V.H.P.では、リューズを2の位置まで引き出した状態が60秒を超えると、自動的に「ENERGY SAVING(省電力)」モードへ移行します。このとき、針は12時位置へ戻ります。L288だけでなく、GMTのL287やクロノグラフのL289についても同様の仕様が公式マニュアルに記載されています。そのため、時刻合わせの途中で操作に時間がかかり、リューズを2の位置にしたまま60秒以上経過すると、設定を続ける代わりに時計が省電力モードへ戻ります。

この場合は、いったんリューズを1の位置へ戻してから、改めて時刻合わせを行います。

VHPは操作中の針の動きにも独自の制御が入っているため、初めて触れると少し意外に感じるかもしれません。ただし、12時位置へ戻るという動きだけを見て、直ちに故障や電池切れと判断する必要はありません。まずは、リューズを2の位置にしたまま60秒以上経過していなかったかを確認するとよいでしょう。 

VHPの電池が切れそうなときはどうする?

VHPの電池が切れそうなときはどうする? ロンジンVHPの時刻合わせ
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Conquest V.H.P.では、電池の消耗が進むと、一般的なクォーツ時計とは異なる形で状態を知らせます。ロンジン公式のL288取扱説明書では、E.O.L.(End of Life)からE.O.E.(End of Energy)へ段階的に移行する仕組みが説明されています。

E.O.L.では針が5秒ごとにジャンプする

電池の寿命が近づくと、VHPではいずれかの針が5秒ごとにジャンプする動作が現れます。ロンジンはこれをE.O.L.(End of Life)として説明しています。

これは、単に時計が止まった状態ではなく、電池残量が少なくなっていることを知らせるための表示です。

通常の時刻表示と異なる動きをするため、初めて見ると不具合のようにも感じられますが、公式マニュアル上は電池寿命が近づいた際の仕様として位置づけられています。

この段階では、時計自体は動作を続けています。ただし、そのまま使用を続けるのではなく、電池交換を検討するタイミングと考えると分かりやすいでしょう。

E.O.E.になると針が12時位置で停止する

E.O.L.の状態が約6か月続くと、VHPはさらにE.O.E.(End of Energy)モードへ移行します。

この段階では、針が12時位置で停止します。ロンジンの公式マニュアルでは、E.O.L.から約6か月後にE.O.E.へ移行すると説明されています。

ここで注意したいのが、先ほどの「操作中に針が12時へ戻る」動作との違いです。

  • 時刻合わせ中に60秒以上リューズを2の位置にする
    • → 省電力モードへ移行し、針が12時へ戻る
  • 電池の消耗が進みE.O.E.になる
    • → 針が12時位置で停止する

同じ「12時位置」という動きでも、発生する条件は異なります。VHPでは、この違いを知っておくと状態を判断しやすくなります。

電池交換の時期によっては永久カレンダーの再設定が必要

VHPで特に注意したいのが、電池交換のタイミングによって永久カレンダーの再設定が必要になる場合があることです。

ロンジンのL288公式マニュアルでは、E.O.L.中、またはE.O.E.へ移行してから6か月以内に電池を交換した場合、永久カレンダーの調整は必要ないとされています。

一方、E.O.E.へ移行してからさらに期間が経過した後に電池を交換する場合は、認定時計技師による永久カレンダーのプログラミングが必要とされています。

つまり、VHPの電池交換は単純に「時計が止まってから電池を入れ替える」という考え方だけでは捉えにくい部分があります。電池交換を考える際は、E.O.L.やE.O.E.への移行時期も確認しておきたいところです。 

なお、ここで扱っているのは電池の消耗と永久カレンダーの動作に関する仕組みです。実際にどこへ依頼するか、ロンジン公式のサービス内容や料金については、次の「VHPの時刻合わせを自分でできない場合は?」で分けて説明します。

VHPの時刻合わせを自分でできない場合は?

VHPの時刻合わせを自分でできない場合は? ロンジンVHPの時刻合わせ
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VHPの時刻合わせは公式マニュアルに沿えば自分で操作できますが、独特な操作方法に不安がある場合や、電池交換を伴う場合は、ロンジンの正規サービスを利用する方法もあります。ここでは、実際に相談する際の選択肢と、VHPの電池交換を考えるうえで知っておきたい点を整理します。

ロンジンの正規サービスへ相談する方法がある

自分での操作に不安がある場合は、ロンジンの認定正規サービスセンターへ相談することができます

ロンジンの日本公式サイトでは、時計の調整・メンテナンス・修理について、認定された正規サービスセンターへの持ち込み、または無料配送サービスの利用を案内しています。サービス内容は時計を預かった後、技術者による診断を経て確定する仕組みです。

現在のサービス価格表には、「精度調整(可能な場合)(レセプションサービスのみ)」を無料とする案内があります。ただし、これはVHPの時刻合わせをその場で無料対応するサービスとして明記されたものではありません。自分での操作が難しい場合に、正規サービスへ相談できるという位置づけで考えるのが適切です。

また、ロンジンでは日本国内向けに無料ピックアップサービスも用意されています。専用のウェブサイトから申し込むと、梱包資材の届け、時計の引き取り、メンテナンス後の返送まで行われ、引き取り・返送にかかる送料は無料と案内されています。

VHPの電池交換は一般的なクォーツと分けて考えたい

VHPの電池交換については、通常のクォーツ時計と同じように考えないほうが分かりやすい部分があります。電池交換のタイミングによっては永久カレンダーの再設定が必要になるためです。単純な電池交換だけで完結しないケースがある点は押さえておきたいところです。

ロンジン日本公式サイトの現在のサービス価格では、クォーツ時計の**電池交換は5,500円(税込)**と案内されています。ただし、この料金が「VHP専用料金」として設定されているわけではありません。実際のサービス内容や費用は、時計を預けた後の診断によって確定するとされています。

なお、ロンジンの公式保証規定では、認定を受けていない第三者による電池交換や修理などが保証の対象外となる旨が記載されています。また、L288の公式マニュアルでは、電池はユーザー自身による交換を想定していないとされています。

VHPに限った規定ではありませんが、保証やサービス保証との関係を考える場合には、このような点も確認しておきたいところです。

VHPの場合、単に「電池が交換できればよい」と考えるより、永久カレンダーを含めた時計全体の状態を扱えるサービス先を選ぶという視点が適しています。特にE.O.E.へ移行してから時間が経過している場合などは、公式マニュアルが認定時計技師によるプログラミングを求めているため、正規サービスへの相談が選択肢になります。

一方で、VHPだから一律に特別料金になる、あるいは必ず大がかりな修理になる、というわけではありません。電池交換の料金や受付方法は、モデルや時計の状態、必要なサービス内容によって変わるため、公式サービスの案内を確認するのが適切です。

まとめ

ロンジンのVHPで時刻を合わせるときは、通常のConquest V.H.P.なら、リューズを回す速度によって分針または時針を調整できます。

日付の修正には独自の操作方法があり、GMTモデルではホームタイムとトラベルタイムで調整方法が異なります。また、リューズを一定時間操作したままにすると、針が12時位置へ戻る省電力モードもVHP特有の挙動です。

操作に不安がある場合や電池交換を含めて相談したい場合は、ロンジンの正規サービスを利用する方法もあります。自分のモデルに合った方法を確認しながら、落ち着いて操作するとよいでしょう。

参考リンク・出典一覧

※Amazonのアソシエイトとして、The Grand Chronometerは適格販売により収入を得ています。

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この記事を書いた人

知足 知足 個人ブロガー、ライター

時計に興味を持つきっかけは、兄が所有していたオメガ スピードマスター プロフェッショナル。 その後、時計が持つ背景や思想に惹かれるようになり、現在はジャック・マイヨールに共感し、オメガ シーマスターのジャック・マイヨールモデルを状態の良い個体で探し続けている。
普段はウェブライターとして、情報の正確性と文脈整理を重視した記事制作に携わっており、 本サイトでもメーカー公式資料や公開データをもとに、感情論に偏らない情報提供を心がけている。

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