「道具としての時計」を追求し、シンプルで信頼性の高い構造により幅広い環境で使える堅牢性と実用性を備えるチューダーのレンジャー。その無骨で飾り気のないスタイルは、多くの時計愛好家を魅了してきました。しかし、一方で「もう少し小ぶりなサイズがあれば」という声が、ファンの間で長年囁かれていたのも事実です。
そんな期待に応えるように登場したのが、今回ご紹介するチューダー レンジャーの36mmモデルです。
これまでの39mmモデルが持つ力強さはそのままに、日本人の手首にも馴染みやすい絶妙なサイズ感へとアップデートされました。しかし、この新作の真の価値は、単なる「サイズダウン」に留まりません。わずか1mmの厚みの差がもたらす装着感の向上や、新色として加わった「デューンホワイト」の洗練された佇まいなど、実機を確認して初めて実感できる進化が随所に隠されています。
本記事では、最新の公式スペックを軸に、他モデルとの詳細な数値比較や、気になる2025年現在の入手状況までを丁寧に解説します。あなたが探し求めていた「理想のフィールドウォッチ」としての答えがここにあるのか、その真価を一緒に紐解いていきましょう。
- 36mmと39mmの違いと11mm薄型が生む装着感の理由
- 2025年現在の入手難易度と正規店での現実的な購入方法
- レンジャー36mmが他モデルより日常使いに優れる根拠
チューダー レンジャー 36mmの魅力とは?スペックと最新の在庫状況を解説

待望の登場となった36mmモデル。一見すると従来のラインナップを縮小しただけのように思えるかもしれませんが、そのディテールを紐解くと、現代のツールウォッチとしての理想を追求したチューダーのこだわりが見えてきます。
黄金サイズの復活:36mmモデルの基本スペックと「19mmラグ幅」の妙
今回の新作で注目すべきは、やはりそのケース径です。36mmというサイズは、近年のツールウォッチ市場でも非常に人気が高い寸法です。歴史的な探検時計においても34mmから39mmまで多様なサイズが存在してきたため、特定の時代だけを指して「唯一の正解」とは言えませんが、多くの愛好家にとって36mmは「収まりの良い、一つの理想的なサイズ」として期待されていた復活と言えます。
内部には、チューダーが誇るマニュファクチュール キャリバー「MT5400」を搭載。スイス公認クロノメーター(COSC)認定を取得した高精度に加え、約70時間のパワーリザーブを誇ります。これは、実用面で見れば「金曜日の夜に外しても月曜日の朝に動き続けている」目安となる稼働時間であり、日常使いにおいて十分なスペックを備えています。
また、時計愛好家が注目しているのが「19mm」というラグ幅です。 一般的な20mmよりもわずかに狭いこの設計は、36mmの小ぶりなケースに対してブレスレットが太くなりすぎず、全体を非常にスマートに見せてくれます。純正のファブリックストラップもこの19mmに合わせて専用設計されており、腕に乗せた際の一体感は、このモデルならではのバランスと言えるでしょう。
【数値比較】厚み11.0mmがもたらす「1mmの差」と袖口の収まり

36mmモデルの大きな特徴は、直径よりもむしろ「厚み」にあります。39mmモデルと比較すると、その設計の違いが数値に表れています。
| モデル | ケース径 | ケース厚(風防含む) |
| レンジャー 36mm | 36mm | 11.0mm |
| レンジャー 39mm | 39mm | 12.0mm |
腕時計の厚みは装着感や袖口への収まりに影響しやすく、39mmの12.0mm厚に比べて、36mmの11.0mm厚は一般的に装着感が軽快に感じられる傾向があります。
一般的に、比較的厚みがある時計(例えば12.5mm以上程度)では、シャツの袖口に引っかかりを感じる人がいるという意見もあります。その点、11.0mmというスペックは、ビジネスシャツの袖口にもスムーズに収まりやすい薄さと言えるでしょう。
実際に腕に乗せてみると、低重心で安定感があり、長時間装着していても重さを感じにくいという声も多く聞かれます。この軽快なフィッティングこそが、36mmモデルを検討する際の一つの大きな判断材料になるはずです。
視認性の追求:ブラックダイアル vs 新色「デューンホワイト」
今回のリリースでは、伝統的なブラックに加え、新色として「デューンホワイト(ベージュ系)」が登場しました。
- ブラック: 歴代のレンジャーのデザインコードを反映したカラーです。文字盤にマットな質感を採用することで光の反射を抑え、あらゆる条件下で比較的高い視認性を確保しています。
- デューンホワイト: 砂丘をイメージしたこのカラーは、真っ白ではなく温かみのあるオフホワイト(ベージュ寄り)の色調です。ヴィンテージウォッチのインデックスが経年変化したような風合いを思わせ、ミリタリーウェアやカジュアルな装いとも馴染みやすい柔らかな印象を与えます。
どちらのカラーを選んでも、ドーム型のサファイアクリスタル風防が文字盤に柔らかな奥行きを与えており、ツールウォッチとしての実用的な美しさを存分に楽しむことができます。

2025年現在の入手状況:なぜ「買えない」という声があるのか?
これほどまでに注目度の高いモデルとなると、気になるのは現在の流通状況です。 2025年シーズン現在、日本国内のチューダー正規店(ブティック)でも順次取り扱いが始まっていますが、SNS上では「なかなか店頭で見かけない」「希望の仕様が買えない」といった投稿が散見されることも事実です。
SNS上では、特に新色「デューンホワイト」およびスチールブレスレット仕様が人気だという報告が見られる一方で、正規店での入荷状況は店舗ごとに異なり、常にすべての店舗で即完売しているといった情報の確認はできません。入荷の頻度や在庫の有無については地域差やタイミングの影響が大きく、情報の正確性は個別の店舗確認に依存します。
もし正規店での購入を検討されているのであれば、公式サイトの店舗リストからお近くの販売店を確認し、こまめに足を運ぶか、その店舗での入荷連絡の可否や在庫の傾向を直接問い合わせてみるのが、最も確実なステップと言えるでしょう。
ユーザーの評価から紐解くチューダー レンジャー 36mmの真価

スペック上の数値が優れていても、実際に所有した際にどう感じるかは別問題です。ここでは、検討中のユーザーが抱きやすい不安や、他の人気モデルとの違いを客観的な視点で整理していきます。
「シンプルすぎてダサい?」と言われる理由と、レンジャー36mmが評価される本質
インターネット上でレンジャーについて調べていると、時折「シンプルすぎて物足りない」「デザインがダサい」といった声を目にすることがあるかもしれません。
しかし、この「飾り気のなさ」こそがレンジャーの本質であり、評価を二分するポイントでもあります。レンジャーは、1952年の英国北グリーンランド遠征隊が携行した時計の精神を受け継ぐ「フィールドウォッチ」です。過酷な環境で生死を分けるのは、華美な装飾ではなく、一瞬で時間を読み取れる視認性と、何かにぶつけても壊れない堅牢性でした。
- マットな質感のケース: 太陽光の反射を防ぎ、傷を目立たせない。
- プリントインデックス: 衝撃で植字(アプライド)のロゴが脱落するリスクを排除。
- アロー型の針: 時針と分針を瞬時に見間違えないための工夫。
このように、すべてのデザインに「理由」があります。一見すると地味に映るかもしれませんが、使い込むほどにその合理的な美しさに気づかされるはずです。「時計に華やかさではなく、相棒としての信頼感を求める」という方にとって、これほど魅力的な選択肢は他にありません。
レンジャーが「ダサい」と言われる理由や、その評価がどのように変化してきたのかについては、以下の記事でさらに踏み込んで解説しています。
▶チューダー レンジャーは本当に「ダサい」のか?
レンジャー36mmを主役に考える|BB54やエクスプローラーとの比較検討
36mmというサイズ感から、よく比較対象に挙がるのが「ブラックベイ 54(BB54)」や、ロレックスの「エクスプローラー」です。ここではあくまでレンジャー36mmを検討している方の視点で、その違いを明確にします。
まず、同じチューダーのブラックベイ 54と比較した場合、大きな違いは「回転ベゼルの有無」と「文字盤の印象」です。BB54はダイバーズウォッチとしての装飾的な要素がありますが、レンジャー36mmはよりフラットで、実用性に徹した佇まいを持っています。日常の幅広い服装に溶け込む汎用性を重視するなら、レンジャーは有力な選択肢となるでしょう。
次に、ロレックスのエクスプローラー(36mm)との比較です。デザインのルーツは似ていますが、エクスプローラーはチューダーとは異なり、部分的にポリッシュ仕上げを取り入れるなど、仕上げの方向性が異なることで独自の美しさを持っています。対してレンジャー36mmは、全体にサテン仕上げ(艶消し)を徹底することで「ツール(道具)」としての統一感を強調しています。どちらが優れているかではなく、自身の好むスタイルにどちらが合致するかが重要です。
本記事で注目しているのは、こうしたライバルたちの中でも、レンジャー36mmが気負わずに使える実用的な選択肢として独自のポジションを確立しているという点です。
「なぜこれほど完成度の高い36mmモデルが、もっと早く発売されなかったのか」という疑問をお持ちの方もいるかもしれません。
レンジャーのサイズ展開に隠された歴史的背景や戦略については、以下の記事で詳しく解説しています。
▶チューダー レンジャー 36mmはなぜ今まで存在しなかったのか
後悔しないためのチューダー レンジャー 36mm購入ガイド

いよいよ購入を具体的に検討する段階に入った際、気になるのは「どこで買うべきか」や「購入後の使い勝手」ではないでしょうか。ここでは、長く愛用するための実践的なアドバイスをまとめました。
正規店購入のメリットと並行・中古市場を活用する際の注意点
チューダー レンジャー 36mmを手に入れる方法は大きく分けて2つあります。
まず第一の選択肢は正規販売店です。2025年現在、チューダーは日本国内での展開を強化しており、ブティックならではの丁寧な接客や、その場でのブレスレット調整が受けられます。最大のメリットは、購入日から5年間、第三者への譲渡を問わず有効な国際保証が付帯することです。
一方で、正規店での在庫が不安定な場合、並行輸入店や信頼できる中古販売店が有力な選択肢となります。 ただし、以下の点には注意が必要です。
- コンディションの確認: 前オーナーが存在する個体を選ぶ場合、ケースのサテン仕上げ面などの使用状況を丁寧に確認することが重要です。レンジャーは堅牢性を重視した設計ですが、使用環境によっては細かな傷が生じている可能性があります。特にサテン仕上げは傷が目立ちにくい反面、深い傷は光の反射で判別しやすいため、現物や詳細な写真でのチェックを欠かさないようにしましょう。
- 保証書の有無: 2025年モデルであれば保証期間が長く残っているはずですが、保証書の日付や有無は必ずチェックすべきポイントです。
正規店で失敗しないために|入荷状況を確認する質問テンプレ

チューダー レンジャー 36mmの購入を検討する際、「在庫はありますか?」「予約はできますか?」とストレートに聞いてしまうと、十分な情報を得られないケースも少なくありません。
正規店ごとに入荷や案内のルールが異なるため、聞き方ひとつで得られる情報量が大きく変わるのが実情です。
以下は、実際に正規店で好印象を持たれやすく、かつ入荷状況の“温度感”を把握しやすい質問例です。初めての方でも、そのまま使える形にまとめました。
基本の聞き方(最初の一言)
「チューダー レンジャーの36mmモデルを検討しているのですが、
現在こちらの店舗では、入荷のご予定や入荷頻度について、差し支えない範囲で教えていただけますか?」
この聞き方であれば、「在庫の有無」だけでなく、
「最近はどれくらい入ってきているか」「次回入荷の目安」など、
店舗側が話せる範囲の情報を引き出しやすくなります。
新色やブレスレット仕様を狙っている場合
「もし可能でしたら、ブラックとデューンホワイトでは、
どちらの方が入荷しやすい傾向にありますか?
また、ブレスレット仕様とストラップ仕様で、入荷状況に違いがあれば教えてください。」
人気の集中度や仕様ごとの傾向は、公式サイトには載らない“現場の情報”です。
「どちらが多いですか?」ではなく「傾向」と聞くことで、現実的なヒントを得やすくなります。
今後につなげるための聞き方
「こちらのモデルは、入荷のご連絡をいただける場合もありますか?
もし難しければ、どのくらいの間隔で伺うのがよいか、目安を教えていただけると助かります。」
予約の可否を直接尋ねるのではなく、
店舗の運用を尊重する姿勢を見せることで、今後の関係づくりにもつながります。
このように聞いておけば、「今すぐ動くべきか」「少し待つべきか」「別の店舗も当たるべきか」といった判断がしやすくなります。
情報が不確定なモデルだからこそ、正しい聞き方そのものが、購入への近道になると言えるでしょう。
避けたほうがよい聞き方(ワンポイント)
「いつ入りますか?」「必ず買えますか?」
といった質問は、正規店側も答えにくく、具体的な情報を得にくいのが実情です。
あくまで“検討している立場”として、状況や傾向を尋ねるのがポイントです。
T-fitクラスプの利便性と、長く愛用するための日常メンテナンス
実用面で特筆すべきなのが、ブレスレットに採用されている「T-fit」クラスプです。 これは工具を使わずに、その場でブレスレットの長さを最大8mm、5段階で微調整できる画期的な機構です。
私たちの体調や季節によって、手首の太さは微妙に変化します。「朝はぴったりだったのに、夕方は少しきつい」といったストレスを、指先ひとつの操作で解消できるのは、日常使いにおいて想像以上に快適な体験となります。
また、100mの防水性能を備えていますが、海水や汗に触れた後は真水で軽くすすぎ、柔らかい布で水分を拭き取るという基本のメンテナンスを心がけましょう。これだけで、サテン仕上げの美しい質感を長く保つことができます。
オーバーホールの依頼先や費用感など、購入後に気になる点については、以下の記事で詳しくまとめています。
▶チューダーのオーバーホールはどこで出すべき?
まとめ:チューダー レンジャー 36mmは、一生モノの「道具」を求める人への答え

チューダー レンジャー 36mmは、単に過去の名作を模しただけの時計ではありません。 39mmモデルから「1mm薄くなった」11mmのケース厚、現代の最高峰キャリバーMT5400、そしてサイズダウンによって際立った黄金比のデザイン。これらすべてが、実用時計としての完成度を極限まで引き上げています。
「本当に良いものを、気負わずに毎日使いたい」
そんな願いを持つ方にとって、この36mmという選択は、手首に乗せた瞬間に「正解」だと確信できるはずです。2025年現在の入手状況は決して楽観視できるものではありませんが、手に入れるだけの価値がある、まさに現代のフィールドウォッチの決定版と言えるでしょう。
【FAQ】チューダー レンジャー 36mmに関するよくある質問
購入前に解消しておきたい、細かな疑問についてお答えします。
- チューダー レンジャー 36mmは「買えない」ほど品薄なのですか?
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人気モデルとして国内外で関心が高いという声がSNS等で見られますが、「必ず入荷待ちになる」という公式情報や全国的な傾向の確認はできません。時期や店舗によって在庫状況は大きく変わるため、まずは最寄りの正規店へ直接問い合わせ、最新の状況を確認することをおすすめします。
- チューダー レンジャー 36mmの定価と現在の価格帯は?
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2025年時点の日本国内正規店での定価は、スチールブレスレット仕様で約45万円〜52万円前後です。最新の価格改定や仕様により変動があるため、正確な金額はチューダー公式サイトまたは正規販売店にてご確認ください。
- 36mmは男性には小さすぎませんか?
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数値だけ見ると小ぶりに感じますが、レンジャーは文字盤の余白が広いため、視覚的には36mm以上の存在感があります。手首周り16cm〜18cmの方であれば、むしろ「最もバランスの良いサイズ」と感じられるはずです。
- 36mmモデルと39mmモデルの最大の違いは何ですか?
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最も大きな違いは「ケースの厚み」です。36mmモデルは厚さ11.0mmと、39mmモデル(12.0mm)より1mm薄く設計されており、袖口への収まりと装着感が大幅に向上しています。また、ラグ幅も19mm(36mmモデル)と20mm(39mmモデル)で異なります。
- レンジャー 36mmのパワーリザーブ(稼働時間)はどのくらい?
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自社製キャリバーMT5400を搭載しており、約70時間のパワーリザーブを誇ります。これは、目安として、金曜日の夜に時計を外しても、月曜日の朝に再設定することなくそのまま使用できる「週末耐性(ウィークエンド・プルーフ)」を備えていることを意味します。
参考リンク・出典一覧
参考文献・出典一覧(タップで開く)
TUDOR公式サイト|レンジャー コレクション
https://www.tudorwatch.com/ja/watches/ranger
チューダー公式サイト|マニュファクチュール キャリバー MT5400
https://www.tudorwatch.com/ja/inside-tudor/watchmaking/tudor-manufacture-movement
HODINKEE|Tudor Ranger 36mm Hands-On Review
https://www.hodinkee.com/articles/hands-on-tudor-ranger-36
Monochrome Watches|Tudor Ranger 36mm Review
https://monochrome-watches.com/tudor-ranger-dune-white-dial-and-new-36mm-case-for-2025-reference-79930-and-79950-introducing-price/
Chrono24|Tudor Ranger 36mm 市場価格・流通状況
https://www.chrono24.jp/tudor/ranger–mod3107.htm
チューダー正規販売店一覧(日本公式)
https://www.tudorwatch.com/ja/retailers/japan

